家づくりの基礎知識

家を建てるなら木造?鉄骨造?徹底比較!

家づくりを進めていくと「木造」にするか「鉄骨造」にするか決めていかないといけません。

 

多くの会社では木造か鉄骨造か、どちらかしか建てていないことが多いので、会社を選ぶ前には決める必要があります。

 

ですが、見学会を見に行っても、それぞれの会社が 自分の会社のメリットを誇張する し、他社のデメリットを大げさに話します。

会社もお客さんから選ばれるための営業トークなので仕方ないことではあります。

 

でもお客さんにとっては、結局どの会社の話を信じていいのかわからず混乱してしまいます。

「こっちの会社では『良い!』って言っていたのに、あっちの会社では『ダメ!』と言われた」なんてことはよくあります。

 

同じ木造住宅でも「この建て方なら良いけど、その建て方だったらダメ」とか「『良い』とも言えるけど『悪い』とも言える」なんてことが非常に多いです。

それぞれの会社が自分たちの会社に都合のいいように言い換えるし、他の会社の悪い部分を大げさに言います。

 

インターネットで口コミを調べて「A社で建てたけど、結露がひどかった!」という口コミがあったとします。

でもそれは必ずしもA社が悪いわけではなく、その口コミをした人の選んだ土地が悪かったり、間取りが悪かったり、断熱材、壁紙などいろいろな要因が考えられます。

 

それなのに「やっぱり鉄骨造だから結露がひどいんだね。木造にすればよかった。」と書いてあったら、「うわっ、鉄骨造は結露がひどいのか。。。」って勘違いの連鎖が生じてしまいます。

 

住宅は高価なだけに、お客さんは必死に口コミを調べたり、本やインターネットで勉強します。

ですが、その情報源が「知識の浅い素人の口コミ」や「お客さんを獲得するために必死に営業トークをする住宅業関係者の本やホームページ」で勉強しているので誤解を生じていることが非常に多いです!

 

なので、ここでは営業セールスをする必要が一切ない私が「実際のところどおなの?」というところを第三者目線でお伝えします!

 

家は周辺環境や使う材料、工法(建て方)次第で「良い」とも「悪い」とも言えるため、正直、一概には言えません。

なので「こっちがいい!」と言い切ることが非常に難しいです。

 

「じゃあ結局どうやって決めればいいんだよ!!」という疑問にもお応えしていますので、ぜひ最後までお付き合いください。

この記事を読んでわかること!

  • 木造の特徴
  • 鉄骨造の特徴
  • 耐震性や防音性など気になる項目で「木造」と「鉄骨造」を比較
  • 結局どうやって決めればいいのか
  • 家づくりで決めておかないと失敗する大切なこと
  • 「木造か鉄骨造どっちがいいか」はさほど重要ではない?!
  • 何件も住宅会社を見に行った方がいい理由

 

木造と鉄骨造を比較していく前に、より理解を深めるために、ザックリとそれぞれの構造について紹介します。

 

 

木造とは

日本で建てられている住宅で一番多い構造が木造住宅です。

特に地域の工務店では木造を扱っている会社が非常に多いです。

 

家の柱や梁などの骨組みが木材で建てられているものが「木造」と言われています。

 

勘違いされやすいポイントが、「部屋の中のフローリングや壁などの仕上げの材料は構造と関係ない」ということです。

「床や壁に木材が使ってある」からといって「木造である」とは限りません。

専門的な話になりますが、床や壁、天井などの建物の強さとして計算しない材料は構造材とは言いません。

 

あくまでも壁の中に隠れている柱や梁など、家の強さを決めている材料が「木材」なのか「鉄骨」なのか「鉄筋コンクリート」なのかによって、「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」が決まります。

なので、鉄骨造や鉄筋コンクリート造でも無垢の木材を使った自然味のある部屋をつくることはできますし、木造でも無機質な空間を演出することも可能です。

 

一概に「木造」と言っても家を建てる住宅会社によって使う木材の樹種が違ったり、製材する方法が異なります。

スギやヒノキ、マツ、米マツ、米ツガなどの樹種によって、強度や硬さ、湿気の強さ、シロアリ被害の受けやすさなどの特徴が全く違います。

 

また、山から伐採した丸太を木材として製材するときの乾燥方法によっても、材料の価格や材料の特徴が変わります。

 

なので、樹種や材料の製材方法、使い方によって、その家の良し悪しが全く違います。

そのため本来であれば、「木造のメリット、デメリットはこれです!」なんて「木造」とひっくるめて話すことはできません。

 

ですが、それでは木造や鉄骨造などの構造を決めるのに困っているみなさんの役に立てないので、ここでは「一般的に多く建てられている木造住宅はこんな感じですよ」とまとめさせていただきます。

なので、住宅会社によってはここで話す木造住宅より、もっと良い木造住宅が建てられる会社もあるし、もっとひどい木造住宅になることもあります。

 

木造住宅で会社を選ぶ場合はその会社で扱っている木材の良さや欠点を熟知していて、きちんと使いこなせる会社を探すことが失敗を防ぐコツです。

「ただ単に木材で家を家を建てている会社」と「木造の命でもある木材にこだわりを持ち、熱く語ることのできる会社」では材料について話すときの熱量が違います。

何件も見学して比べてみてください。

 

木造について詳しく解説したページはこちら↓

本当の木造住宅のメリット・デメリット

一般的な木造住宅のメリット・デメリットはよく間違って言われていることがあります。
家づくりで後悔しないためには正しい知識を身につけましょう!

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鉄骨造とは

構造の材料に鉄骨(鋼)を使って建てているものを「鉄骨造」と言います。

 

鉄骨造には大きく分けて2種類あります。

使用している鉄骨の厚みに応じて、6mm以上のもを「重量鉄骨」6mm未満のものを「軽量鉄骨」といいます。

一般的に住宅の「鉄骨造」は「軽量鉄骨」で建てられています

一部の会社では重量鉄骨で建てることも可能です。

 

一般的に「鉄骨造は強い!」なんて言われることもありますが、鉄骨の厚みによっても変わります。

 

このあと紹介していく鉄骨造に関するメリットやデメリットは軽量鉄骨より重量鉄骨の方が影響が大きいことを覚えておいてください。

重量鉄骨の方がメリットとして受ける恩恵が大きく、デメリットの影響も大きくなります。

軽量鉄骨の場合は鉄骨造として受けるメリットは小さくなりますが、デメリットの影響も小さくなります。

 

つまり、重量鉄骨は特化型軽量鉄骨はバランス型みたいな感じです。

 

鉄骨造について詳しく解説したページはこちら↓

鉄骨造の住宅とは?メリット・デメリットがわかる!

鉄骨造を検討しているときに知っていてほしいポイントをまとめています。
「鉄骨造は興味ない」って人も一度は見ておくと後悔せずに済みますよ!

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項目別で比較していきます!

耐震性や防音性などの項目別で木造と鉄骨造を比較していきます。

 

あなたが家づくりで重視している項目では木造と鉄骨造のどちらの方が良いか確認してみてください。

 

 

耐震性

一般的には木造より鉄骨造の方が耐震性が有利だと言われています。

 

たしかに鉄骨と木材の材料として考えると鉄骨の方が強いのは当たり前です。

住宅の構造体として考えると一概に「鉄骨造の方が強い」とは言えません。

 

重量鉄骨であれば確かに強いのですが、一般的に住宅で使われている軽量鉄骨では「木造と大きな差はない」とも言われています。

 

木造でも使う木材建て方によっては耐震性は大きく異なります。

ローコスト住宅のように質の低い材料で、最低限の量で建てられた家は弱くなりますし、建築費が高くなっても良質な材料で太さを確保して建てられた家は強くなります。

 

ちなみに、木造でも鉄骨造でも耐震装置などを取り付けて、耐震性を高めることも可能です。

 

鉄骨造(軽量鉄骨も含む)は構造的には強いのですが、家の重量が重くなります。

家が重くなると、その分、土地の強さも必要です。

鉄骨造を建てる場合、地盤改良が必要で別途費用がかかることもあります。

 

また、建物が重いと地震で受けるエネルギーも大きくなります。

 

 

「これはメリット!」とハッキリ言えることもあります。

 

ほとんどの鉄骨造では「構造計算」をおこないます。

構造計算とは「建てる建物が計画通りの強さを持っているか、計算して証明すること」をいいます。

「構造計算をしている」ということは「建物の強さが保証されている」ということです。

違う言い方をすると、構造計算で強さを証明できたらどんな形(デザイン)でも建てることができます。

 

「いやいや、『強さが保証されている』ってどんな家でもきちんと計算しているんじゃないの?」って思った方もいるのではないでしょうか?

 

そうなんです。

実は全ての家で構造計算をしているわけではありません

 

鉄骨造は2階建以上の建物は全て構造計算しないといけません。

 

ですが、木造では2階建以下の住宅ならほとんどの場合、構造計算ではなく、簡易的な計算だけでよし、と決められています。

一定のルールに従って設計すれば構造計算をしなくてもある程度の強さは保証します。という特例があるのです。

 

なので、現在建てられている2階建までの木造住宅のほとんどは構造計算をしていません。

 

構造計算をせずに建てられた住宅の強さはあくまでも「このくらいの強度があるはず」という推測にすぎません。

 

構造計算をせずに建てた家の中には予定の強さより2~4割も不足していることがあるそうです。

 

その点、鉄骨造の場合は2階建以上の建物はすべて構造計算が必要です。

設計した強さがどういう根拠で有しているかを計算により証明しています。

 

構造計算をしていると、必ず設計通りの強さを持っているという安心感があります。

 

ちなみに、通常では構造計算をしない木造住宅でもオプションで構造計算を依頼することも可能です。

 

その場合は構造計算の費用で20万~30万円かかり、強度が不足していた場合は設計の変更によりさらに費用がかかります。

 

チェックポイント

  • 耐震性 重量鉄骨 > 軽量鉄骨 = 木造
  • 鉄骨造は重量があるので、地震で受けるエネルギーが大きい
  • 建物が重いと地盤改良が必要な場合もある
  • 木造は構造材の品質が重要
  • 2階建以上の鉄骨造は構造計算をする
  • 木造は構造計算をしていないことが多い
  • 構造計算をしていないと、予定より2~4割強度が不足していることもある

 

 

 

耐久性

こちらも一般的には鉄骨造の方が高いと言われています。

ですが、先ほどと同様に使う材料の品質建て方などに大きく影響を受けます。

 

鉄骨造で耐久性に影響を与えるのが「サビ」です。

水分や空気に触れていると酸化してサビが生じます。

酸化して腐食が進むとボロボロ崩れるほど劣化してしまいます。

 

そうならないためには

・適切に鉄骨を防錆処理して

・丁寧に建物の防水処理

結露対策

をする必要があります。

雨水が進入しないように設計をして、丁寧に防水工事をしてくれる会社を選ぶ必要があります。

 

また、鉄骨は冬場に表面温度が低くなるので、結露対策をしないと、鉄骨に結露が発生します。

鉄骨が結露するとサビやカビの原因になります。

 

またサビによる腐食は、肉厚の薄い軽量鉄骨の方が早く老朽化してしまいます。

 

 

木造で耐久性に影響を与えるのが「腐食とシロアリ」です。

木材は湿気雨漏りが原因で腐食します。

 

腐食すると木材の強度が落ちて家が傾いたり、外壁に亀裂が入ったりします。

強度が落ちている状態で地震の大きな力が加わると倒壊などの被害に遭ってしまいます。

 

そして、シロアリは湿気の多い環境を好みます。

そのため、木材が湿気ていると腐朽もしやすく、シロアリ被害にも遭いやすくなります。

 

シロアリの被害が進むと強度的に重要な柱や梁などでも、触るとボロボロ崩れてしまうくらい劣化してしまいます。

シロアリの被害から守るために防蟻剤やシロアリ駆除剤などを定期的に散布する必要があります。

ですが、この薬剤は人体への健康被害が懸念されています。

特に小さなお子さんやペットを飼っている家庭は注意が必要です。

 

チェックポイント

  • 鉄骨造はサビ、木造は腐食とシロアリが耐久性に影響を与える
  • どちらも湿気や雨漏り、結露が原因
  • シロアリの薬剤は人体やペットの健康被害に懸念あり

 

 

耐用年数

木造でも鉄骨造でも共通して言えることは

・質の良い構造材を使うと長く住み続けられる

・長く住み続けるためにはメンテナンスが必須

ということです。

 

 

質の良い構造材を使うと長く住み続けられる

構造材とは柱や梁、筋かいなどの家の強度に関わる部材のことです。

 

鉄骨造では軽量鉄骨より重量鉄骨の方が強いことは想像がつくと思います。

また、きちんと錆止めなどの処置がされている材料を使うことも大切です。

 

木造の場合、住宅会社によって扱う構造材の品質の差があります。

集成材だけを使う会社や無垢材だけを使う会社、輸入材を使う会社や国産材だけを使う会社。

 

一概にはいえませんが、値段が高い材料はやはり品質が良いことが多いです。

細くて安い柱を使うより、太くてしっかりしている柱を使う方がメリットは多いです。

 

木造住宅の場合、構造材を100万円分グレードアップすると相当品質の良いものが使用できます。

 

予算が決まっている中で「さらに予算を100万円プラスしましょう」という話ではありません。

 

家づくりをしているとオシャレな住宅設備(キッチン・お風呂・トイレ・洗面台など)に憧れますよね。

手をかざすだけで水が出るキッチンや便器の前に立つだけで水が出たり殺菌してくれるトイレなど、住宅設備は本当に進化しています。

 

ただし、「憧れ」と「必要なもの」は違います。

 

それらの憧れが少し我慢できることなのであれば、住宅設備のグレードを少しずつ抑えるだけで100万円ってあっさりと捻出できたりします。

 

住宅設備は基本的に10年~20年の耐用年数で作られています。

 

10年くらいで買い換えるものに対してお金を支払うなら、家を建てるときにしかできない構造材にお金を回すのもアリだと思います。

 

住宅設備は家族の命を守りませんが、構造材は家族の命と暮らしを守ってくれますので。

 

 

長く住み続けるためにはメンテナンスが必須

家は「建てたらおしまい」ではありません。

家も車と同じで、長く住み続けるためには定期的なメンテナンスが必要です。

 

木造でも「100年住宅」を宣伝している会社もありますが、100年間メンテナンスフリーで住めるわけではありません。

 

外壁のサイディングの塗り替えは10年が目安です。

外壁のコーキングは5年くらいでやり替えが必要です。

スレート屋根という屋根材は20年くらいがふき替えの目安です。

 

家の構造(骨組み)は長持ちしても、構造を守る外壁や屋根は短い周期でメンテナンスが必要です。

 

これらのメンテナンスを怠ると、雨漏りの原因になり、そこからサビや腐食が進行していきます。

 

また、生活を送る上では異変がなくても、天井裏や床下をのぞくと雨漏りをしていたり、配管から水が漏れていることもあります。

 

異変がなくても普段から定期的にチェックすることが家の耐久性に大きく関係してきます。

 

チェックポイント

  • 長く住み続けるためには品質の良い構造材をした方がいい
  • 構造材にお金をかける考え方も必要
  • 長く住むためにはメンテナンスが必須

 

 

 

固定資産税

実際の耐用年数とは別に「法定耐用年数」というものが法律で決められています。

 

建物の資産価値を決めるためには、築年数に応じて経年劣化を考慮しないといけません。

ただし、建物の劣化具合は「新しけらば劣化が少ない」と単純なものでもなく、目では見えないところが多いので判断は容易ではありません。

 

なので、建物の構造の種別に応じて資産価値を有する年数を決めましょう。と、一律で決められています。

これを「法定耐用年数」といいます。

 

この法定耐用年数が長いということは、「長い間、その建物が資産価値がある」ということです。

逆に法定耐用年数が短いということは「その建物が資産価値を認められている年数も短い」ということです。

 

当然、資産価値として認められる年数が長い方がいいように思えますが、「資産価値がある」ということは、「それには税金がかかる」ということでもあります。

 

不動産には固定資産税がかかります。

固定資産税は毎年支払う税金です。

 

「法定耐用年数が長い建物」ということは「それだけ多くの税金を支払う必要がある」ということです。

 

法定耐用年数は建物の構造の種類によって決まっています。

鉄骨造の場合は鉄骨の肉厚によって年数が異なるので、住宅会社に確認してください。

 

チェックポイント

  • 構造の種類によって法定耐用年数が決まっている
  • 法定耐用年数が長いほど固定資産税をたくさん支払う
  • 固定資産税は毎年支払いがある

 

 

 

 

建築費

一般的には木造より鉄骨造の方が建築費は高くなります。

 

目安として、木造は坪単価40万~60万円なのに対して、鉄骨造は50万~80万円になります。

延べ面積50坪くらいの家を建てたら1000万円くらい鉄骨造の方が高くなることになります。

ただし、鉄骨造の場合は建物が重いので、地盤が弱い場合はこの坪単価とは別に地盤改良が必要になることもあります。

 

チェックポイント

  • 建築費は鉄骨造の方が高くなる傾向はあるが、トータルの費用がどうなるかは実際に見積もりを出してもらう必要がある

 

 

 

耐火性

耐火性はそれぞれに勘違いしやすいポイントがあるので気をつけてください。

きちんと理解しておかないと、営業トークに騙さてしまうかもしれません。

 

木造住宅を建てている会社へ見学に行くと、「実は木造は火に強いんですよ」という話を聞く機会があります。

はじめて聞く方にとっては矛盾に感じると思うので、少し説明します。

 

ご存知の通り、木材は燃えます。

まず木が燃えると木の表面から炭になります

その表面に形成される炭が木材を保護して、中心部まで燃え進むことを防ぐ働きをします。

 

このように木材の芯まで燃えるのを防いでくれることから、柱や梁などの急激な強度の低下を防ぎ、火災による倒壊を防いでくれます。

このような理屈から「木造は火災に強い」と言われるのです。

 

ただし、この炭化についていくつか注意点があります。

 

「木造が火災に強い」と言っても、あくまで、避難するための時間稼ぎをしてくれる程度です。

いくら木の表面が炭化するからといっても、長時間火に晒されたら内部まで炭化は進行し倒壊します。

 

また、木の表面から1、2センチ炭化しても強度が保てるほどの部材の太さが必要です。

最低でも12センチ角以上の柱を使用しましょう。

(12センチ角の木材で表面から1センチ分炭化したら、中心部の10センチ角分の部材が強度を保ってくれます)

 

逆に、細い柱を使っているのに「木造は火事に強いんですよ」なんて話をする会社は信用できません。

営業トークでお客さんを丸め込もうとしています。

 

 

鉄骨造を建てる会社の決まり文句は「木造と違って、鉄骨は燃えません」です。

確かに鉄骨は木材のように火を近づけても燃えません。

 

しかし、鉄骨は燃えなくても、室内の仕上げ材や家具、カーテンなどは燃えます。

 

鉄骨の注意点は、火災により温度が上昇すると、急激に強度が低下します。

 

火災のときの室内の温度は900℃~1000℃にもなると言われています。

鉄骨は325℃から強度が下がり始め、700℃になると強度が ゼロ になります。

 

火災により温度が上昇すると、強度が低下し、耐えられなくなった時点で一気に倒壊するときが来ます。

 

避難に手間取ってしまうと、ある時を境に一気にグシャリと倒壊する可能性があるので、怖いところがあります。

 

「鉄骨造も燃える」ということは勘違いしないでください。

 

 

木造でも鉄骨造でも 共通する注意点 があります。

 

火災での一番の死因は「有毒ガスや一酸化炭素による中毒死」です。

消防庁 平成30年版 消防白書 建物火災の死因別死者発生状況より作成

室内で使用しているビニールクロスや合板でできているフローリング、ワックス、クッションフロアなどの新建材が燃えることで有毒ガスや一酸化炭素が発生します。

 

寝ているときにボヤがおきたら、そのボヤに気がつくこともなく亡くなってしまいます。

火災で若い方も亡くなっているのはそういうことです。

 

新建材を使わずに無垢の材料を使用した場合、有毒ガスや一酸化炭素の発生は少なく、煙や二酸化炭素が発生します。

 

就寝中に煙で咳き込んだとしても、目が覚めて火災に気がつくことができます。

 

「構造体が火災に強いかどうか」も大切ですが、室内の仕上げ材や家具に有害なものが使われていないかも大切です。

 

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チェックポイント

  • 木造でも鉄骨造でも火災に強く建てることは可能
  • 火災で死なないためには構造材だけでなく、部屋に使う材料にも気をつかうこと

 

 

 

 

火災保険料

火災保険の加入はローンを組むための条件になっていることが多いです。

 

そのため、火災保険を安く抑えることができれば、竣工後の維持費を抑えることができます。

 

火災保険料の金額を決める要素の1つとして「建物の火災に対する強さ」があります。

 

建物の火災に対する強さとして、

・マンション構造(M構造)

・耐火構造(T構造)

・非耐火構造(H構造)

の3種類に分類されます。

そして、火災保険料は「M構造<T構造<H構造」となっています。

M構造はマンションや共同住宅に対する構造になるので、一般住宅ではT構造が火災保険料を一番安くできる構造になります。

 

ちなみに鉄骨造は無条件でT構造です。

 

木造は基本的には H構造 ですが、火災に強い工法で建てた場合は T構造 にもできます。

 

木造でT構造にするためには、住宅会社によっては標準の仕様で建てていることもありますが、多くの会社では追加オプションになり、別途費用がかかります。

 

ちなみに火災保険料の相場として、補償内容の少ない安価なプランでH構造(保険料が高い構造)の場合、10年で10万~20万円ほどかかります。

 

T構造はH構造の半分くらいに安くなります。

 

補償内容が手厚いプランにして保険料が高くなると、T構造にするメリットは大きくなります。

 

チェックポイント

  • 火災保険料 M構造<T構造<H構造
  • T構造はH構造の半額くらいに抑えられる

 

 

 

 

暑さ・寒さ

一般的には「木造は断熱性があり、鉄骨造は断熱性が低い」と言われています。

 

確かに間違ってはいません。

木材と比べて鉄骨は400倍も熱を伝えやすいからです。

 

材料としては木材は断熱性が高く、鉄骨は断熱性が低いのですが、家全体でみると一概にそうとは言えません。

 

あくまでも構造体(柱や梁)が木材か鉄骨かというだけなので、それだけで「夏は暑い、冬はさむい」と決めることはできません。

 

木造だとしても断熱材の入っていない家は、夏は暑く、冬は寒いです。

 

「構造体の断熱性が高いかどうか」よりも

・壁や屋根の断熱性の高さ

・窓の断熱性の高さ

・気密性の高さ

の方が家の断熱性に大きく影響します。

 

チェックポイント

  • 木造か鉄骨造かというだけで断熱性が高いか低いかは判断できない
  • 壁や屋根、窓の断熱性と家の気密性の方が重要

 

 

 

防音性

防音性能についても「暑さ・寒さ」のところと同様に、「構造体が木造だから」というよりは

・壁の断熱材

・窓の種類(複層ガラスやペアサッシ)

・気密性

の方が影響は大きいです。

 

チェックポイント

  • 防音性も断熱材や窓の種類、気密性の影響が大きい

 

 

 

 

 

結局、木造と鉄骨造はどっちがいい??

いかがでしたか?

家づくりをしている方が悩むであろう項目でそれぞれを比較してみました。

 

どれも一長一短でなかなか「こっちがいい!」と軍配を上げることが難しいのが正直なところです。

 

住宅会社や住宅業関係者のホームページや書籍では、最終的に自分の会社で扱っているものをオススメしていますが、私のように無所属で情報を発信している者としては「どっちも捨てがたい」というのが本音です。

 

なので、「この構造の方がメリットが多い!」という理由で決めるよりは、「自分たちが目指している家づくりを叶えるためにはどちらの方がいいか」で決めるのが正解だと思います。

 

1つだけ言えることは、木造でも鉄骨造でもその材料の特性を十分に理解して、その特性を活かした家を作れる会社に依頼することが重要です。

 

「構造は木造でも鉄骨でも良い」と言いましたが、なんでもいいわけではありません。

 

やはり構造は家の骨組みでもあり、そこに住む人を守る重要な部材です。

木造でも鉄骨造でもどちらの構造でも魅力がたくさんありますが、その魅力を活かすも殺すも住宅会社次第です。

 

 

私は現役建築士だったころは木造住宅を建てていましたが、本当に木造の良さを殺す住宅会社がたくさんありました。

 

使う材料や材料の使い方、営業トークも本当にプロとは思えませんでした。

 

「本当に木造を理解してるのかな?」

そんな会社がたくさんあります。

 

そのような会社は「良さを活かす」というよりも「いかに手間を省いて利益を増やすか」を考えています。

 

 

これから家づくりをする方は、とにかくいろいろな会社を見に行くことが成功の秘訣です。

 

住宅会社へ行くと、しつこく売り込まれるし、疲れるし、面倒くさいかもしれません。

 

ですが、何件も見に行くことで、他の会社とは違う、その会社の「熱意」「良さ」「本当にお客さんのためを考えてくれる想い」の伝わる会社がわかるようになります。

 

そのような想いはただの営業トークとは全く違います。

 

なので、何件も見て回ると違いが一発でわかるようになります。

 

 

まとめ

今回は多くの方が迷う「木造と鉄骨造どっちがいいのか」についてお話しました。

 

みんなが迷うだけあって、それぞれ一長一短なんですよね。

 

なので重要なことは

・「『自分たちが目指す家』が実現できるのはどちらか」を考えること

・その構造の良さを存分に活かせる会社を探すこと

・お客さんのことを真剣に考えてくれる会社をみつけること

です。

 

そのためには、

「『自分たちが目指す理想の暮らし』や『新しい家に求めていること』を明確にしておくこと」

「とにかくたくさん住宅会社を見て回ること」

です。

 

それが後悔しない家づくりの近道です。

 

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