いろいろな図面があるし、いまいち図面をどう見たらいいかわからないんですよね。
少しでも図面を理解できるように解説していきますね!
家づくりで図面を読めるメリットは?
「図面みたいな専門的なことはプロに任せればいいや。」
と考えるお客さんは結構多いです。
確かに住宅会社の人たちはお客さんと打ち合わせで決めた内容で図面を描いていきますが、
「こう言って打ち合わせたのに違うように出来上がってしまった。」
なんてミスは打ち合わせでの両者の伝わり違いや言ったのに図面に反映されていなかった。
なんて事があります。
家づくりではこの「言った」「言ってない」問題はよく起こります。
この問題の多くは打ち合わせの記録などの証拠がない限り、お客さんは泣き寝入り することになります。
あくまでも図面の内容で家を建てる契約をしているからです。
そして、現場監督は打ち合わせの記録や図面をもとに工事の準備を進めていきます。
工事も図面の内容で家ができていきます。
打ち合わせで営業マンと話した内容ではなく、最終的に描かれている図面の内容で契約をします。
そのため図面をプロ任せにすることは危険なのです。
お客さんが少しでも図面を読めれば、自分たちの考え方を図面で描いて伝えることもできます。
言葉だけで打ち合わせをするよりも伝わり違いを防ぐこともできることが大きなメリットです。
それでは図面の種類に分けていくつかの図面を紹介していきます。
平面図(間取り図)
平面図は不動産の広告や本でもよく見かけるので見た事がある方も多いですね。
そのような媒体でも使用されているということは、それだけ平面図が重要だということです。
建設会社の人も平面図はお客さんも多少は読める前提で話してしまうことがありますのでしっかり抑えておきましょう。
今回は想像しやすいように建売でよく見かける定番の間取りで図面を用意しました。
ちなみに平面図と間取り図はほとんど同意語として使われますが、
・間取り図 は部屋の位置関係を示した簡単なもの
・平面図 は家を建てるために部屋の大きさや出入り口や窓の位置や大きさなども正確に表したもの
といったニュアンスの違いがあるような気がします。
この辺りは言い間違えても特に問題ないので気にしなくて大丈夫です。
平面図は 床から1~1.5m ほどの高さで家をズバッと切断して上から覗き込んでいる状態を描いたものです。
平面図に限らず、多くの図面は立体的には描かず、2次元的な描き方をしています。
床から1~1.5mとしていますが、高い位置にある窓などは都合上平面図に描き入れることもあります。
なかなか平面図を見慣れないと線が多くてどれが何の線かわかりにくい場合があります。
そんな時は…
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壁の線を黒く塗りつぶしてみましょう!
どうです?
壁が引き立って部屋の壁や出入り口がよくわかるようになりますよね。
扉や窓は描き方によって 窓の種類 や 開き方の違い を表しています。
図面の縮尺の違いによっても多少表現が変わってきます。
上記の図面は1:100という小さめな縮尺での表現です。
また、平面図では同じ窓の描き方でも 違う種類の窓 を表している場合があります。
そのため、どんな開き方をする窓なのか確認するためには他の図面と見比べる必要があります。
全て覚えるのも大変なので間違いがないようにしっかりと打ち合わせで確認をしてください。
開き戸や縦滑り出し窓などの 円弧 は 扉が開く時の軌道 を表しています。
この扉が開く向きで生活の利便性は大きく変わってきますので、よく検討する必要があります。
階段には矢印が描いてあります。
この矢印は1段目の丸印から矢印の方向へ登っていきます。
不動産屋の図面では素人が描いていることも多く、
稀に上がり下がりの矢印の向きが逆になっていることもあるので注意してください。
左の1階の図面では階段の途中からギザギザの線を境に収納に変わっています。
これは、先ほど平面図の説明をした通り、床から1.5mくらいの位置で切断しています。
そのため、階段は数段上がり、高さ1.5mを過ぎると階段下の収納になっているのです。
断面線 とは下で説明する断面図で切断する位置を示している線です。
契約する頃には平面詳細図という図面が用意されます。
図面は地図と同じで縮尺があります。
間取りを決めるような初期段階では1:100(1/100)の大きさの縮尺で図面を描く事が多いですが、
内装材や断熱材など詳しく決まり、契約が近くなってくると平面詳細図が用意されます。
住宅の場合は1:50~1:60くらいの縮尺で描かれます。
1:100の平面図では 壁は二重線 で 扉は一本線 で表現されています。
平面詳細図では 縮尺が大きいので、壁の中に断熱材、扉も二重線 で表現されるなど、詳しい内容で表現されます。
この場合でも壁や扉などの断面を黒塗りにすると見やすくなります。
立面図
立面図 は外から 東西南北の4面を見た様子 を描いています。
この図面では外から見た家のデザインや窓の配置、屋根勾配を知ることができます。
また、屋根が外壁より外側にどれくらい伸びているのか(軒の出、けらば)も確認できます。
図面の寸法にFL(各階の床上の場所)が知ることができれば、床の線と人を描き加えれば窓がどんな大きさでどれくらいの高さに付くのか知ることもできます。
図面の中に人など 大きさがわかりやすいものを描き加えれば大きさの感覚が掴めるのでおすすめです!
この時、描き加えるものは図面の縮尺に合わせて大きさを正確に描かないといけません。
ここでは平面図の右側の外壁を見る立面図で170cmほどの人を描き込んでいます。
まず、1階の洗面所の窓は目線の高さにある窓です。
そのため、型ガラスという中が見えないガラスにした方が良さそうですね。
隣の家の窓の位置も気にした方が良さそうですね。
そして、2階の部屋Dの窓は平面図だけではわかりませんでしたが、
目線より高い位置にある横に細長い窓だということが立面図により知ることができました。
断面図
断面図では家の任意の位置を縦に切断した断面を描いた図面です。
この任意の位置とは平面図に断面線で切断する位置を示しています。
それぞれの部屋の 天井の高さ や窓の大きさ、収納の棚の高さなど、 高さ関係 のことがよくわかる図面です。
任意の場所は平面図に表示されていることが多いですが、描かれていない場合は断面図に書いてある部屋名から平面図と見比べて切断位置を探す必要があります。
平面図と同様に切断している壁や床を黒塗りにするとわかりやすくなります。
また、断面図でも人を描き加えると部屋の広さや高さ関係の感覚が掴めます。
収納の中段やベランダの手すりの高さは大丈夫か。
天井の高さは大丈夫か。
今住んでいる家とも比べながら検討してみてください。
展開図
展開図は部屋の中央に立って1面ずつ壁を見た図です。
(上記のトイレの展開図は平面図のものとは違うものです。)
この図面からは窓や照明器具の位置がよくわかります。
また、収納などの棚の高さや大きさについても知ることができます。
他の図面と同じように立体的な描き方はしないので、慣れるまでは描いてある線が何を表している線なのかわかりにくいかもしれません。
そんな時は平面図と見合わせてみるとわかりやすいです。
展開図でもぜひ図面の中に人を描き入れてみてください。
その部屋の大きさや物のサイズ感がすごく掴みやすくなりますよ。
電気配線図
電気配線図はコンセントの配置や照明器具とそのONOFFスイッチがどこに付くかなど、電気関係の配置がわかる図面です。
これらの配置は生活の利便性に大きく関わります。
そのため、家族の動きや生活を図面の中で何度もイメージして検討する必要があります。
照明器具から繋がっている丸印はその照明器具のスイッチを表しています。
また、階段の照明は3つのダウンライトが階段の上と下でONOFFできるスイッチ(3路スイッチ)です。
配置図
敷地と敷地に接する道路、家の関係を表している重要な図面です。
配置図では特に
・敷地の境界線と家との距離(家の位置)
・駐車場の位置
・道路や敷地に高低差がある場合はその関係
を注意して確認しましょう。
まとめ
今回紹介している図面は家づくりをする上で最低限知っておきたいものなので、
その他に見かたがわからない図面を出された時は その都度質問 した方がいいですね!
あくまでも図面の内容で契約し、家が建ちますので。