「建ぺい率」と「容積率」は家を建てたり、土地を選んだりするときの重要なポイントです。
これを気にせずに家づくりを進めてしまうと、想い描いていた家が建てられない可能性があります。
なので、今回は誰でもわかるように「建ぺい率」と「容積率」を噛み砕いて簡単に解説していきます!
このページを読むとこのようなことがわかります!
- 建ぺい率と容積率って何か、なんのために決まっているのか
- その土地の建ぺい率と容積率から、建てられる家の大きさを求める方法
- 容積率を考慮した上で、さらに広い家を建てる方法
“建ぺい率” “容積率” とは?一体何者??
土地を探していると「建ぺい率」と「容積率」という言葉をよく目にします。
日常生活では全く耳にしない言葉なので、難しく感じるかもしれません。
それでも、それをわからないまま家づくりを進めると失敗する危険があるので注意してください。
私たちは普段から気にもしていませんが、多くの地域で都市計画というものが決まっています。
「この地域は住むことに適した場所にしよう!」とか
「この辺りは工業をメインの地域にします!」という感じで、どんな地域として発展させていくかテーマが決められています。
(この地域のテーマのことを「用途地域」といいます)
そのため、その地域の土地を買った人が好き勝手に家を建てられてしまうと、地域で決められていたテーマにそぐわない家が乱立してしまうかもしれません。
それを防ぐために定められているものが「建ぺい率」と「容積率」です。
「建ぺい率」はその土地の面積に対して、建てられる建物大きさを制限するために設定さてれています。
この制限を設けることで、その地域の風通しや日当たりなどの衛生環境を確保する役割や火災が発生したときに近隣建物への延焼を防ぐ役割があります。
例えば、「住宅地」にしようと決まっているのに、どこの土地でも区画いっぱいまで家を建ててしまうと、風通しや日当たりが悪くなり、衛生面で良くありません。
建物が密集しているところで火事になったら、近所へ燃え広がってしまう危険性もあります。
そうならないために、「この地域では土地の面積の50%までなら家を建ててもいいことにしよう!」と、建物の大きさに制限を設けています。
(この場合は建ぺい率が50%になります)
「容積率」はその地域の人口が過密になることを防ぐために決められています。
どういうことかというと、まず、建ぺい率は「その土地の広さに対してどのくらいの面積を建物につかえるか」という割合でした。
建ぺい率50%の土地(土地の面積の半分までの大きさの家を建てられる土地)だと決められていても、その家が平家の場合と5階建ての建物の場合ではそこに住む人数が変わってくる可能性があります。
一般的に家が大きくなれば大人数が住む可能性があります。
それを許して、人口がどんどん増えてしまうと、当初、その地域で計画していた用途のテーマで整備されていた上下水道やガス管、交通機関などのインフラ設備がパンクしてしまうかもしれません。
なので、それを防ぐために土地の広さに対して建てられる建物の大きさに制限をかける 容積率 が設定されました。
「建ぺい率」
建ぺい率はその地域が建物でギュウギュウにならないように、土地の面積に対して建物に使える面積の割合を決めたものです。
建ぺい率を定めることで、通風や日照を確保して衛生状態を保ったり、火災が発生したときに近所への延焼を防いだりすることができます。
このような計算式で求められます。
建築面積 は建物を真上から見た時の外壁に囲まれた面積のことです。
建築面積を求める式に変換すると、
建築面積 = 敷地の面積 × 建ぺい率 です。
例えば、敷地の面積 200㎡ 建ぺい率 50% の土地なら、
建築面積 = 200㎡ × 50%
= 100㎡
なので、その土地では100㎡の広さまで建物を建てることができる。ということです。
「容積率」
容積率はその土地で建てられる家の規模を制限するために設けられるものです。
容積率では建ぺい率と同じように、通風や日照、延焼の防止に加えて、人口が過密になりすぎないようにコントロールする役割がありました。
延べ面積とは建物の各階の床面積の合計のことです。
延べ面積を求める式に変換すると、
延べ面積 = 敷地面積 × 容積率 です。
これにより土地に建てられる家の規模がわかります。
例えば、敷地面積 200㎡ 容積率 150% の土地なら、
延べ面積 = 200㎡ × 150%
= 300㎡
なので、その土地では各階の面積の合計が300㎡以下の建物を建てることができます。
容積率を考慮して、広く建てるコツ
その土地に容積率が定められていても、なるべく広く建てたいときもありますよね。
実は、容積率の延べ面積を計算するときに、その計算に入れなくてもいい場所があります。
その除外できる場所をうまく利用すれば、容積率が厳しい土地でも広くゆったりとしたお家を建てることができます。
① 吹抜け
吹抜けは上の階の床が存在しない部分なので、その階の床面積に入れる必要はありません。
リビングや玄関ホールで吹抜けを設ければ、開放感がUPして、通風や明るさを得ることができます。
② バルコニー
バルコニーやベランダは外壁から出幅が2m以下なら延べ面積に入れなくてOKです。
なので、屋内とバルコニーとのつながりを持たせることで広く感じることができます。
バルコニーの出幅が2mあれば机や椅子を置いてもまだ余裕があります。
バルコニーで食事やバーベキューをするのもいいですよね。
③ ロフト
ロフトも延べ面積に入れる必要はありません。
除外できるロフトの条件は
・天井までの高さ1.4m以下
・ロフトのある階の面積の1/2以下
・はしごが固定されていない(階段を設置したら×)
です。
それをうまく利用して、物置にしたり、趣味のスペースにしたりしても楽しいですよね。
まとめ
土地探しで重要な「建ぺい率」と「容積率」について簡単に解説してきました。
今回説明したことのほかにも色々な決まりがあります。
それによっては、建ぺい率や容積率が緩和されたり厳しくなったりします。
細かいルールもたくさんありますので、最終的に土地を決めるときには信頼できる建築会社に相談することをおすすめします。