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家を値引きしてもうのは当たり前?
どこの住宅会社が一番値引きしてくれるのかなぁ?
でも、その値引きが当たり前という考え方は危険なんですよ!
値引きが危険ってどういうこと…?
家づくりを考えている人の話を聞いていると、
「このハウスメーカーで値引きをしてもらったとして坪単価いくらぐらいで建てれますか?」
とか
「値引きは本体の10%くらいはさすがに無理かなぁ」
みたいなことを聞かれます。
・・・
なぜ値引きをしてもらえる前提で話をしているのでしょうか?
これは残念ながら住宅会社の悪い売り方が原因なんです。
特に理由もなく数百万の値下げをしてくれる住宅会社は結構あるんです。
まあ住宅会社からは「決めていただければ特別に」とか「決算で決めて欲しいから」とか適当な理由を言ってきますけどね。
ただこの理由もなく値引きしてくれるのは提示されている金額に値引き代を含めている場合がほとんどです。
最初から値引きする予定の金額をお客さんの前で「今回は特別に」と言いながら引いているだけなのです。
なぜ、わざわざこんな事をするのでしょうか?
理由は単純で、日本人は値引きやサービスに弱いですからね。
「ちょっと上司に相談してきます!」なんてパフォーマンスをされながら目の前で金額を下げてくれると
「この営業マンは自分たちのためにこれだけ頑張ってくれてる!」
「ここまで自分たちのためにやってくれる営業マン優しい!」
なんて思ってしまい、ここで買わないと申し訳ないと思ってしまうからです。
でも実際には、値引きするために準備されている金額を引いているだけです。
はっきり言いましょう。
払う必要のない金額が入っているから引いているだけです。
営業マンが頑張っているわけでも優しいわけでもありません。
この事をちゃんと理解していないと冷静な会社選びができないので気をつけておきましょう。
無理やり値引きをしてもらうとどうなるのか
理由は様々ですが、営業マンの中には値引き代を超えた金額を値引き始める営業マンもいます。
お客さんからしたら
「同じ家を安く買えた! めっちゃラッキー!!」
かもしれませんが、よく考えてみましょう。
逆に値引き代を超えて値引くということは住宅会社は何かの費用削減しているのです。
住宅会社はいったい何の費用を削減しているのでしょう。
まずは、家を建てるための費用の内訳を見ていきましょう!
何の費用を削減しているか知るために、お家を建てるのに掛かるお金がどんな内訳になっているのか知る必要があります。
ここではざっくりとした内訳しか説明しませんが、
家を建てるためには
・本体工事費
・付帯工事費
・諸費用
に分けることができます。
本体工事費とは
本体工事費は名前の通り、建物本体に関する費用です。
例えば、建物の基礎を作る工事や大工さんの工事、内装を仕上げていく工事など家を作るための工事が本体工事費となります。
全体の費用の70〜80%を占めています。
付帯工事費とは
建物本体に付帯してくる工事費用のことです。
例えば、家を建てるための地盤改良工事や庭や玄関アプローチを作る外構工事、建て替える場合は既存の建物を取り壊す解体工事なども付帯工事になります。
土地の条件などで多少前後しますがおよそ15〜20%を占めています。
諸費用
諸費用には住宅ローンの手数料や登記費用、火災保険、税金関係などがあります。
これらは5〜10%を占めています。
値引きをすると何の費用が削減されるのか
まず、契約をしている住宅会社の取り分はどこに入っているかというと、
本体工事費と付帯工事費に関する費用に管理費として入っていることが多いです。
普通に考えると値引き代を超えて値引きをしたら、この管理費という自社の取り分を減らしていると考える方が多いと思います。
ハッキリ言って、そんなことはしません!
わざわざ自分たちの利益を削ることはしません。
営業マンは仕事を取ってくることが仕事。
現場監督は会社の利益を確保して工事を終えるのが仕事です。
営業マンが取ってきた仕事を現場監督が引き継いでお家を建てています。
営業マンがどれだけ値引きしてしまったとしても現場監督はそれなりの利益を残さないといけないのです。
では、どこを削減しているのでしょうか?
諸費用の税金や各種手数料は減らしようがありません。
そうです。
業者さんや職人さんに普段より安く工事を請け負ってもらいます。
特に受注件数が多い住宅会社ほど業者さんに安く値切らせることができます。
業者さんも自分たちの生活の為にたくさん仕事をくれる住宅会社からのお願いはなかなか断ることができないのです。
その結果何が起こるのか。
業者さんは普段と同じ仕事を普段と同じくらいの収益にするために早く仕事を終わらせないといけません。
そのためには
普段やっていた仕事を省略する。
普段より粗い仕事になる。
そうなんです。
お客さんはみんな欠陥工事をされるんじゃないかとか不安に思っていますけど、
値引きしてもらおうといろいろな戦略を実施するほど自ら自分の首を締めているんです。
正直言って現場監督も人間ですから、
業者さんに安く工事請け負わせているので、ちょっとくらいの手抜きには目をつぶってしまいますよ。
理由もない無茶な値引きはそれ相応の工事のお家になって自分たちに返ってくるということを肝に命じておいてください。
正しい値引き方法とは? 工事費用の抑え方は?
無茶な値引きは自分が損することはわかっていただけたと思います。
でも、「そんなこと言われてもどうしても予算オーバーしてしまうんだからどうしようもないじゃないか!」
という方も多いと思います。
そんな方のために正しい値引き方法をお伝えします。
その方法はずばり、値引きされて当たり前な状態にすることです。
正しい金額の抑え方⑴:グレードを下げよう!
一番簡単な方法は
グレードを下げることです。
わかりやすいポイントでいうと、設備機器は価格を抑えやすいポイントです。
自分たちの生活をもう一度見直して、もう1ランクグレードを下げても問題はないのではないか?と考え直してみてください。
お風呂やキッチン、エアコンなど1ヶ所1グレード下げるだけで10万円ほど下がることもありますので、案外ばかにできないです。
床や壁、外壁の材料のグレードを下げるのも効果的です。
また、同じ材料に統一してあげることも効果があります。
例えば壁紙をトイレだけ種類を変えていたら、小さなトイレの壁のために1ロール分の壁紙を買わないといけません。
壁紙は種類が多く廃盤になるのも早いため、なかなか使い回しが効きません。
そのため、少ししか使わなくても1ロール用意しないといけないのです。
最近流行っている、部屋の一面だけ壁紙を変えるってやつもこの事が言えますので気をつけてください。
正しい金額の抑え方⑵:小さくしよう!
これでもさらに金額を抑えないといけない場合はさらなる合理的手段があります。
ズバリ、家を少し小さくしましょう。
少しでいいんです。
営業マンに伝えてる予算に入るようにお家の大きさを少し小さくして再度プランニングしてみてもらいましょう。
営業マンのプランニングのセンスにもよりますが、
「あれ?べつにこっちでもいいんじゃない?」
なんてことも結構多いんです。
せっかく暮らしのイメージが湧いてきていたプランを小さくすることに抵抗感を示す方も多いのですが、やってみる価値は大きいですよ!
こういった合理的に工事費用を下げる抑え方はその分安くしてもらって当たり前のことなので、お客さん自身で欠陥工事に繋げる行為ではないので、安心してどんどん活用してください!
金額を抑える時の注意点
ただし、これらの価格の抑える方法には注意点があります。
それは、自分たちの一番大切な家づくりのこだわりはしっかりと守っておくことです。
大きな金額の話をしているうちに自分たちのこだわりを忘れて金額を抑えることに必死になってしまうことがあります。
また、奥さんのキッチンや家事室、旦那さんの書斎など相手のこだわりを無理やり抑えつけないことも大切です。
思い描いていた生活のグレードより下げることは少し寂しいところもあります。
相手を尊重しながら抑えてもいい部分を抑えて、こだわる部分はしっかりこだわる。
そんなメリハリがないと家づくり自体に楽しみやワクワクが無くなってしまいます。
それは現場監督もとても悲しいことですから。
正しい金額の抑え方:番外編
もう一つ金額の抑え方の番外編としておすすめな方法があります。
それは、外構工事を抑えることです。
外構工事は意外とお金がかかります。
だいたい家本体の費用の1割くらいが目安になっています。
ですが、結構自分たちでもできることは多いんです。
コンクリートを打ったり、屋外の手洗い場などは業者さんにやってもらう方が安心ですが、
せっかくの機会なので、ウッドデッキや柵、植栽などは是非挑戦していただきたいです。
お金を貯めながら自分たちのペースで進めていくことができますので。
これには金額を抑えるよりも大きな目的があります。
自分たちで家づくりに参加することでお家への愛着が格段に上がります。
お引き渡しの時に全ての工事が終えて綺麗な状態で受け取るのは最高に気持ちがいいです。
しかし、そこが暮らしの最高潮になってはいけないのです。
お家の完成はあくまでも過程であって、そこに住む家族で最高の思い出を作っていくことが大切です。
そのためにお庭を自分たちで作り、メンテナンスしていくことはお家の愛着にも家族の繋がりにも良い役割をしてくれるのです。
いかがでしたか?
今までは当たり前だと思っていた値引きについて考えはかわりましたか?
正しく金額を抑えて自分たちのこだわりのお家を作っていきましょう!
今回のまとめ!
・理由もなく値引きされる場合は最初から値引き代として金額に入っている。
・無理やり値引きさせると自分に返ってくる。
・金額を抑えるためには金額が減って当たり前な変更をする。
・グレードを下げる。
・家を小さくする。
・外構工事に挑戦する。
・抑えれる部分は抑えて、こだわる所はしっかりこだわる。