土地を探しているときに「旗竿地」と聞くとなんか悪いイメージが浮かびませんか?
たしかに他の土地と比べると価格は安いんです。
でもそれって他と比べて悪いところがあるから安いんですよね。
だからどうしても「旗竿地」って良くない印象を受けてしまいます。
とくに「旗竿地は日当たりが悪い!」という話をよく聞きます。
日当たりが悪いと、なんか陰気臭いし、洗濯物は乾かないし、カビくさいし、虫が湧くし。
せっかく家を建てるのにわざわざ日当たりが悪い土地なんて選びたくないですよね。
でも、本当に旗竿地は日当たりが悪いんでしょうか?
そこで、今回は実家が旗竿地で、20年以上実際に住んでいた私がプロの目線も加えて、旗竿地の日当たりについてお話ししていこうと思います!
この記事を読んだらこんなことがわかります!
- 旗竿地が日当たりが悪いと言われる理由
- 実際に旗竿地の日当たりは悪いのか
- その土地の日当たりの確認のやり方
- 土地の日当たりが悪いときの対処法
この記事の目次
そもそも旗竿地とは?
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なぜ「旗竿地は日当たりが悪い」と言われるのか
「旗竿地は日当たりが悪い」と言われる理由は、自分の家が他の建物で囲まれる可能性があるからです。
旗竿地はその形の性質上、周囲を他人の土地で囲まれています。
なので、条件が悪いと自分の家が他の家に囲まれてしまい日光が当たりにくくなってしまうのです。
一般的な土地では土地の1辺以上は道路に接しているので、どこかの方角はひらけています。
そのため、一般的な土地と比較すると、「旗竿地は日当たりが悪い」と言われているのです。
では、実際に旗竿地は日当たりが悪いのか?
結論から申し上げると、「旗竿地=日当たりが悪い」ではありません。
「条件が悪いと日当たりが悪くなりやすい」という方が正しいです。
旗竿地によっては完全に他の建物に囲まれてしまっているところもあります。
そのような土地では他の建物の影になってしまうし、風通しも悪く、湿気がたまる家になってしまいます。
ですが、そのような旗竿地ばかりではありません。
同じ旗竿地でも周りの建物の配置によっては日当たりに問題がない土地もあります。
建物との距離が確保されていたり、他の家が平家だったりすると、日当たりの悪さはだいぶ解消されます。
先ほどの密集していた状況と比較すると、その違いがよくわかります。
同じ「旗竿地」でも周辺環境によって日当たりは全く異なります。
日当たりだけでなく風通しも良さそうにみえますよね。
ちなみに私の実家はこのような場所に建っています。
一見、建物が密集していて日当たりが悪そうに見えますが、北側(画像上側)と東側(画像右側)の5軒は1階分くらい土地が下がっています。
我が家の1階とその5軒の2階が同じくらいの高さになっています。
そのため、平家の家が建っているのと同じような状態なので、東からの朝日もしっかりと入ってきます。
また、南側には庭のスペースが空いているので、家への日当たりは悪くありません。
そのかわり、庭の日当たりはあまりよくありません。
もし庭を設けずに敷地いっぱいに家を建てていたら、南側に建っている家の影に入ってしまい、日当たりは悪くなっていたことでしょう。
事前に日当たりを確認する方法
では実際に日当たりがどうなのか簡単に確認する方法を紹介します。
「日当り君」で簡易シュミレーション
Windowsのフリーソフトでホームズくん.comという会社の「日当り君」というものがあります。
このソフトはざっくりと敷地や周辺の建物を描いていくだけで、その土地がどのような日当たりになるかシュミレーションしてくれるソフトです。
図面やGoogleマップの航空写真を参考にすれば、素人の方でも簡単にシュミレーションができてしまいます。
簡易的なシュミレーションですが、やるのとやらないのでは安心感が全く違います。
無料で3Dシュミレーションが簡単にできるのがすごいです。
スマホアプリ「サン・サーベイヤー」
スマホアプリの「サン・サーベイヤー」は目的の場所で太陽が何時にどのあたりにあるかがわかるアプリです。
サン・サーベイヤー・ライト
Adam Ratana無料posted withアプリーチ
このアプリの面白いところはAR機能があるので、現地でスマホのカメラを使うと、その場の太陽の動きが確認できるところです。
「何時から何時は隣の家で影になる」とか、「ここに木を植えると夏の日差しを遮れる」とシュミレーションができます。
この画像の場合、16時以降は隣家の影になることがわかります。
いちばん大切なのは「現地で体感すること」
最近ではいろいろ便利なソフトやアプリがありますが、結局いちばん大切なことは「実際に体感すること」です。
図面(地図)やコンパスを持って、真夏や真冬で太陽がどのあたりから昇ってどこに沈むのかを確認しましょう。
現地確認に加えて先ほど紹介したソフトやアプリを使うとより一層理解を深めることができます。
日当たりが悪いときの対処法
もし、家を建てたい土地が日当たりが悪かったとしても対処法はいくらでもあります。
家を建ててから日当たりを改善するのは大変ですが、建てる前だったらどうにでもなります。
なので、事前にシュミレーションして日当たりを確認しておくことは非常に重要です。
2階に日当たりを良くしたい部屋を設ける
旗竿地で日当たりが悪かったとしても、ほとんどの場合、2階なら日当たりは良好です。
1階はどうしても周辺の建物の影響を受けてしまいますが、2階ならよっぽど周りの建物が高くない限り、明るいし風通しがいい環境が作れます。
なので、2階に日当たりを良くしたいリビングを設けて、日中使用しない寝室やお風呂などを1階にまとめることで、日当たりの問題も解消されます。
吹き抜けを設ける
2階にリビングを設けると階段の上り下りが発生するので、都合が悪いこともあります。
そのような時は、よく日が当たるところを吹き抜けにして1階まで日が当たるように設計すれば解決できます。
ハイサイドライト(高窓)を設ける
窓を設置したいけど日が入る見込みのない場所だったら、ハイサイドライト(高窓)にしてみると日当たりが改善されるかもしれません。
ハイサイドライトとは、一般的な目線ほどの高さの窓と違って、天井付近に設ける窓のことです。
通常より高い位置に設置するので、日光が入りやすく室内で光が拡散されやすくなるので明るくなります。
建物の配置や間取り次第で日当たりは全然違う
いくら「旗竿地」といっても一日中全く日が入らない土地は稀です。
敷地内のどこかしらは日当たりのいいポイントがあります。
その日当たりのいいポイントを大切に設計していけば日当たりの問題も軽減されます。
家を建てるとき多くの人が勘違いしていることがあります。
「敷地の境界線に平行に家を建てないといけない」なんてルールはない!ということです。
こんなルールがないにも関わらず、日本に建つほとんどの家は道路や境界線に平行に家を建てています。
はっきり言って、道路と平行に家を建ててもたいしたメリットはありません。
ただでさえ日本の敷地は非常に狭くて密集しています。
それなら、日当たりや風通しを最優先に考えて家を配置した方が賢明です。
日当たりが悪くない土地だとしても気をつけてほしいこと
土地の周りに空き地があったり、低い建物が建っていて日当たりが良好だったとしても、それは現状に過ぎません。
空き地には建物が建つこともありますし、平屋も建物が建て替えられて2階建てになることもあります。
実際に私の実家の周りでも空き地に家が建ち、他の4軒が建て替えられました。
そのうちの1軒の建て替えで庭の日当たりが非常に悪くなりました。
旗竿地である以上、現状は条件が良かったとしてもその状態がずっと続くとは限りません。
なので、できる限りの対策は考慮していた方が長い目でみて安心です。
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